魅惑な彼の策略にはまりました
その時、どこからかスマホのバイブ音が聞こえる。私じゃない。宗十郎だ。


「アネラだ」


宗十郎が言うけれど、出ない。


「出たら?」


「どうせ、明日の夜、打ち合わせがある。たいした用事でもないよ。いつもそうなんだ」


少し胸がざわめく。
夜に打ち合わせって、それただのデートじゃない?

着信が止んだ。
宗十郎が顔を上げ、片眉をしかめた。


「一応言っとくけど、明日の夜はアネラ側のスタッフも一緒だからね。俺とアネラの二人きりじゃないから」


そんな言い訳しなくていい。
いや、もしかすると、私の方が変な顔をしていたかな。二人の仲を疑うような……。


「別にいいわよ。むしろ、アネラは本気なんじゃない?遊ぶだけなら、相手してあげたら?いつものことでしょ?」


あ、なんとなく言葉に険が。

ああ、胸のざわざわ、早く止とまって。

私の言葉にスマホやメイク道具をしまいながら宗十郎が答える。


「今は四季で手一杯」
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