魅惑な彼の策略にはまりました
「な……それって……」


「男もいけるってことです。ちなみにバリタチです。あ、突っ込まれるのはお兄さんってことね」


下品なことを爽やかに言いながら、宗十郎がぐっと距離を詰めた。
背の低い浮気男を見下ろすと、その手をとる。


「試しに四季と三人でしてみません?大丈夫、俺、結構上手いんで、バージンでも気持ちよくなれると思いますよ」


狙う立場から自分が狙われる立場になった途端、浮気男は弱くなった。

顔色はすでに青白く、言葉が出ない口元がパクパク動いている。

私の怒りは完全に消えたわけではなかった。
でも、それよりこの場で笑ってしまわないようにという方が重要。

私は咳払いをしてから、宗十郎に向かって言った。


「宗十郎、ダメ。そいつ、ド下手」


「えー?そうなのー?」


宗十郎が私に顔だけ向けると、浮気男の両手をポイッと投げ捨てた。

それから、ひょこひょこと子どもみたいに弾みながら私の元へ戻ってくると、私の額にキスをした。
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