魅惑な彼の策略にはまりました
食後に歩いてきたのは、ビルの合間の噴水がある広場だ。

どうやら撮影があるようで、ロケハンが来ている。
カメラマンや照明がセッティングに動く向こう、若い女優が見えた。

ああ、この前朝ドラに出てた子だ。
なんて、見ていると、そのメイクをしているのが、宗十郎だった。

スタジオにもとんと、顔をださなくなり、姿を見ること自体、久しぶりだ。

髪が変わっている。アッシュ系だった髪は、金色に近い。サイドが短いのが、よく似合うと思った。

仕事をしている宗十郎はカッコいい。
今更だ。


「四季、宗十郎に告白されたんでしょ?」


リリが思い切ったように問うてくるので、私は笑った。


「あんなの告白に入らないよ。恋愛指南するとか言って、やっぱり試しに付き合おう、結婚もしてみようなんて。ふざけてんのよ。こっちを、バカにしてる」


私もリリもお互いの顔は見なかった。宗十郎を遠目に見つめて。


「だから、もう振り回さないでって私から離れたの。リリ、こんなことになっちゃってごめんね。せっかく気の合う同士だったのにね」


リリはひとつ嘆息した。
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