魅惑な彼の策略にはまりました
「宗十郎の中で別格は四季だけだと思うよ。おまけで私もだろうけど。宗十郎は長く一緒にいる四季だから、人生のパートナーとして恋愛をしてみたいって思ったんだよ」


「そんなものかな」


「あいつが人見知りで、私との四季にしか心開かないって、わかるでしょ?付き合い長いんだから」


リリの言葉は半分は推論だと思う。だけど、するすると胸にしみわたった。

宗十郎の気持ちは本気?
冗談じゃなく、私と恋しようとしてくれていたの?


「宗十郎のこと、拒否しちゃったから、もう遅いかもね」


「四季は宗十郎のこと、好きになれそう?」


「わかんない。だけど、大事な人なのは絶対」


離れてしまってもいいと思っていた。

だけど、口にしてみれば私は全然納得していないと気づく。

だって、宗十郎の言葉に何割かの真実があったかもしれない。
そんな可能性を知った途端、私の胸は騒ぎ出している。


「ふたりで話す機会、作ったほうがいいわね」


リリがそう言った時には、宗十郎が私たちに気づいていた。

距離50メートルくらいを挟んで、視線が絡む。
こんなに近くにいるのに、私たちの距離はきっともっと遠い。

宗十郎は、私から目をそむけ、自分の仕事に戻っていった。


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