魅惑な彼の策略にはまりました
「知らないわよ、なんで私に聞くのよ」


すると育江と留美子が顔を見合わせニヤニヤと笑いだす。


「だってねぇ」


留美子がむふふと妙な声で笑い、育江が私に遠慮がちに告げた。


「私たち見ちゃったんですよ」


「へ?」


「ちょっと前ですけど、二上さんがちょくちょくウチに来てた時期があるじゃないですか。2月末頃」


もしや。
背筋にすーっと冷たいものが流れた気がした。


「見えちゃいました!二上さんが四季さんをぎゅーっとハグしてるとこ!」


「そこの受付の隅で!きゃー!」


うぎゃ!やっぱりその件か!

一番見られてダメージが少ないケースだったみたいだけど!


「あれは、そういうんじゃなくて……」


「そういうのに決まってますよ!四季さんの腕をつかんで私たちに見えない位置まで引っ張ってぎゅって!」


「隠れてなかったですけどね。私たち、思いっきり首伸ばして見てましたから」


育江も留美子も席で首をぐいぐい伸ばして、出歯亀状態を再現してみせる。
ああああ、恥ずかしい!
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