魅惑な彼の策略にはまりました
「どうりでアネラと仲良くしてても動じないわけだ!本妻の余裕!」


「やーん、言ってくださいよぉ!この前の四季さんのファンの男も、二上さんの存在知ったら裸足で逃げ出しますよね!」


ふたりをどうどうと抑え、私はこほんと咳払い。


「えーと、本当に付き合ってないのよ」


「えー?」


「というか、私が宗十郎に嫌な態度を取っちゃったの。それ以来会ってなくて……」


見られていたからにはしょうがない。できうる範囲で誠意ある説明をしなければならない。
どう話してもごまかしになっちゃうんだけど。

うーん、カップルの喧嘩中みたいな説明になってしまった……。


「四季さん、それなら、今すぐ会いにいけばいいじゃないですか」


留美子が真顔で言う。


「今日の講習会、渋谷の宮益坂をのぼったとこにある専門学校のホールっすよ。本社に近いじゃないですか」


「何言ってんのよ。仕事中にわざわざ行かないわよ」


「渋谷に戻る頃には定時です」


留美子は本気の口調だ。定時になんか上がった試しがないけど。
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