母と妻と女の狭間で・・・ 留学時代編
「あのさ・・・」

その時、喉まで出かかった、
 
〈Ash も一緒に誘わない?〉

 その言葉を、グッと飲み込んだ。
だいたい、私も話したことがないのに、
いきなり呼んだって、みんなが困るし、
Ashは日本人と混ざりたがらないわけだから、
来るわけ無いと思った。

 
 電話を切って15分位で、寧子とミチ君と
他2人が迎えに来てくれた。

 私が、

「日本食レストランなんて、ここにあったっけ?」

って、に聞くと、

「うん、ハイウェイ沿いの道で、名前が
 ”Golden Dragon”」

 「ん?、それって日本食ってか、
チャイニーズっぽくないかな?」

 私はそう思ったけど、それは言わずに、
黙ってミチ君の車に乗り込んだ。

 それから30分後、怪しげな金の龍の書かれた店の前に、
立っていた。

「あのさ、ここってなんか日本食って言うか、
中華だよね?」

 私が言うと、みんなも、

「そうだね、中華だよね?」

 同じ意見。
最後には寧子まで、

「なんだ、ママから見ると、日本食もチャイニーズも
おなじに見えるんだな~」

 だって。
でもすまなそうに肩をすくめる寧子にみんなで、

 「いや、チャイニーズだってご飯あるだろうし、
日本食じゃなくても、オリエンタルだからいいじゃん!」

 って、みんなでウキウキしながら、店に入った。
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