母と妻と女の狭間で・・・ 留学時代編
 そうすると、一番近くて、食事ができるお店は、
となり町にある”TacoTime”に行かないとダメで、
とは言っても、寮は隣町との境にあるから、
その距離2キロ。

 それでも歩いて、片道30分位かかる。
ま、夜11時まで開いてるから、夕食には十分だけど。

 って、わけで、うちらが住んでる街では、
車が必需品。

 サマーバケーション中じゃなければ、
カフェも遅くまでやってて、学生は
ミールチケットがあるから、食事に困ること
もない。

 学生がほとんど帰省する夏休みは、
カフェもお昼しか開いて無くて、車が
なければ、夕飯は確実に食べられない。

「そー、やっとわかった?
Ashが寮を出た理由」

 寧子がドヤ顔しながら、私を指差した。
その顔を見ながら私は、

〈なるほどなー、そりゃ、寮出るわ〉

 寧子の指差しは、全然気にならずに、
妙に納得してた。

「え?、じゃ一人で出たの?」
 
 私はすぐに次の疑問が湧いた。
そしたら寧子は、またしても、ドヤ顔しながら、

「ちが~う!」

 って、だけ一言。
それを聞いて、私は背中にクリスタルの氷柱を
突っ込まれたように、ひやっとした。

〈まさか、晴美と・・・〉

 私の心配を察したように、寧子はにやって
笑いながら、

「ルームメイトは、インドネシア人!」

 寧子はとても、私より年下とは思えないくらい、
人の心を持て遊ぶのが、うまいと実感した。

「は~、なんだ他の国の留学生か」

 私は心底ホッとして、思わずその場に
座り込みそうになった。

「喜ぶのはまだ早い!」

 寧子はそのまま、言葉を続けた。

「その人は女子!」
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