母と妻と女の狭間で・・・ 留学時代編
 私は、足の力が抜けて、思わず近くの
机に手をついた。

 そんな私の様子を見て、気持ちが
抑えきれなくなったのか、寧子が、
火山が大爆発して、真っ赤な溶岩を
吹き出す様に、大笑いを始めた。

 私は、本当に悲しくなって、大粒の涙が
とめどなく流れてきた。

 そんな私を見ても寧子は、大笑いを止める
こと無く、ひたすら、笑い続けた。

 さすがに私も、頭に来て、

「いい加減にしなさいよ!
私が悲しんでるのが、そんなに楽しいの!」

 キレ気味に寧子に向かって叫んだのに、
寧子は、まったく気にならに様子で、
笑い続けた挙句、

「うそ!、嘘だよ。
ルームメイトは男。
男の人だよ」

 そう言って、また笑い始めた。

 私は寧子の言葉を聞いて、今度はまさに
足の力が抜けて、その場に座り込んでしまった。

「なんだよ、もう!
いい加減にしてよ~」

 さすがに、さっきまでの緊張感が一気に解けて、
寧子と一緒に笑い始めた。

 あまりの衝撃に、5分位笑い続けて、
最後はお腹が痛くなった。
 
 それでも、あさひが他の女の子と一緒に
住むよりは、心が痛むことはないよね。

 寧子が、

「よかったね~、女じゃなくて」

 って、言ったから、
私は、おもいっきり、寧子の肩にパンチして、

「ひどいよ、もう!、
日本へ帰ろうと思ったじゃないか!」

と、泣きながら、笑いながら、寧子に言った。

〈これで、私よりひとつ下の18歳。
これからこの娘は、どんな人生を歩くんだろう〉

 思わず心配になるくらい、寧子は大人びていた。
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