オフィスにラブは落ちてねぇ!! 2
二人で迎えた初めての朝。

太陽が少し高くなってきた頃、愛美は“政弘さん”の腕の中で目を覚ました。

(同じシャンプーの匂いがする…。)

まだ気持ち良さそうに寝息をたてている“政弘さん”の胸に頬をすり寄せる。

“政弘さん”は素肌の胸に触れる愛美の髪の感触に、くすぐったそうに身をよじって愛美を抱き寄せた。

眠っていても優しく抱き寄せる腕の温かさにドキドキする。

(こんなふうに一緒に朝を迎えられるって、幸せだな…。)



愛美は“政弘さん”の寝顔を見ながら、いつもとどことなく違った夕べの“政弘さん”を思い出していた。

夕べ“政弘さん”は、愛美を抱きしめ、何度も何度も甘いキスをした。

“政弘さん”は大きな手で余裕なさげに愛美の素肌に触れて、甘く優しい声で“愛美、愛してる”とくりかえしながら性急に愛美を求めた。

本人が最初に言っていた通り、あんなに余裕のない“政弘さん”は初めてだった。

ただ単に久しぶりだったから余裕がなかったのか、何かしら“政弘さん”に思うところがあったのかはわからない。

愛美が何度果てても、執拗に肌に唇と舌を這わせ、容赦なく体の奥をかき混ぜられて、いつも以上に激しく求められた。

絶え間なく与えられる快感に抗う事も忘れて、何度も名前を呼びながら“政弘さん”の背中にしがみついた。

何度も激しく求められ、愛美は心も体も甘く溶かされて、身体中に“政弘さん”の熱を残したまま眠りに就いた。



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