オフィスにラブは落ちてねぇ!! 2
夕べの“政弘さん”を思い出しているうちに、自分の乱れぶりも思い出して、愛美は思わず赤面してしまう。

(やっぱり狼だ!!あんなに何度も…!恥ずかしいっ…!)

熱くなった頬を広い胸にうずめると、愛美を抱きしめていた“政弘さん”の腕にギュッと力がこもった。

「愛美…おはよ…。」

“政弘さん”は愛美の額にキスをして、優しく髪を撫でる。

なんとなく気恥ずかしくて、愛美は顔を上げられない。

「ん…?どうかした?」

「いえ、なんでも…。」

(夕べの事思い出してたなんて言えない!)

「顔見せてよ。」

「いや…あの…。」

(恥ずかしい…私きっと今、顔真っ赤だ…。)

“政弘さん”は愛美の頬を両手で包み、顔を覗き込んで笑った。

「真っ赤だよ?」

「だって…。」

「かわいいなぁ…。そんな顔されたら、また我慢できなくなるかも…。」

「えぇっ…?!」

(さすがにもう…!)

愛美が思わず逃げ腰になると、“政弘さん”は笑って愛美を抱きしめた。

「ダメ、逃がさない。」

“政弘さん”は愛美の唇に優しく口付けた。

「大好きだよ。」

「私も好きです…。」

「じゃあ…もっと俺を溺れさせて。」


二人は抱きしめ合って何度もキスをして、互いの肌に触れ、落ち着き掛けた夕べの熱を再び呼び覚ますような甘い時間を過ごした。


愛美は温かく力強い“政弘さん”の腕に抱かれながら、“政弘さんの甘さや優しさに溺れてるのは私の方なのに”と、愛する人で身も心もいっぱいに満たされる幸せをかみしめた。



< 121 / 169 >

この作品をシェア

pagetop