恋のお試し期間
「ははは」
「わ。笑うのひどい!」
「……うん。ひどいね。ごめん。でも、可愛い」
「もう」
団子みたいな胴体にホットケーキみたいな顔。手足は大根。
どうせそんな程度ですよ。
色気なんて一ミリもないですよ。
えっちなDVDとか借りてきた所でどうにもならないですよ。
里真は何時ものネガティブを発動させて拗ねた顔。
「ね。里真」
彼氏を無視して映画を見ていたら耳元で甘い囁く声。
「な…何ですか…」
こそばゆくてモゾモゾする。
「…君が甘いケーキなら食べてもいいよね?」
「え?」
咄嗟に横を向いてしまった。まっすぐ側に彼の顔がある。
「…おいしそう」
そして唇を奪われる。優しくねっとりと味わうように。
「……慶吾さん」
「俺の触れ方がダメなら遠慮しないで言って。それくらいで怒ったりしないよ。
強いのがいいとか。ここをもっと触って欲しいとか。何時もと違うのがいいとか」
「……そ、そういうのは特にはなくて」
ただ自分がソウイウコトにあまり慣れてないだけで。
どうしたらいいのかもよく分かってない。
女子会では主に「やってけば分かる」という話しだけど、
そこまで積極的に彼氏を誘うのは恥ずかしい。
2人でやることなのに直接当の相手に相談しないでレクチャー本やら
ネットの掲示板やら、果てはDVDにまで頼ろうとする自分の不甲斐なさ。
「…そんな悩むことないんだよ?俺、君の為なら何でも挑戦するからさ。あ。痛いのは無理だけどね」
「踏むとか?鞭とか?ロウソク…?」
「俺でよければどうぞ踏んでください。打ってください。ロウソク垂らしてください」
「…い、いえ私も嫌ですそんな物騒な」
でも想像したらちょっとみてみたい気がしないでもない。
いや駄目だそんなの自分の柄じゃない。もちろんされるのも嫌。
「ははは。冗談だよ。でも、…君の趣向には出来るだけ応えるつもりだから」
「……」
たとえ自分が経験豊富だったとしてもそれは自慢するもんじゃないと思うけど。
でも、何の知識もないというのも中々辛い。
ただただ彼に愛撫されていくだけ。それで彼は気持ちが良いのだろうか。
彼は自分と違って経験があるのだろうし。
「なに?どうしたの俺の顔じっとみて」
「……今は私の彼氏ですもんね」
「え?…うん。彼氏だよ?正式な里真ちゃんの彼氏」
彼は優しく笑ってまた唇にキスをする。今度は軽い優しいもの。