龍神のとりこ
「わかってる、コハクの傍から離れない。どんな獣がいるかわからないし、シオウとジンに注意しなきゃいけないから。で、今のはどんな獣が近くに来てたの?」

『ああ、トーコにはシオウの気がわからなかったのか。』

目の前で真剣に見つめてくる瞳を見つめ返す。

「そうか。」

「?なに?」

「いや、姿までは見えなかった。だが獰猛そうな気配がしていた。」

「そうなの、、?もう、いないのよね?」

きょろきょろと周りを見渡している。


そんなところがリスっぽいな。

「ああ、去ったらしい。」

トーコの手がコハクのマントの裾をきゅっと握った。

「よかった。。」

ほっと安堵するのが握られたマントからも伝わってくるようだ。


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