年下くんの電撃求愛
「……可愛いですよ、あなたは」
全部話し終えたあと、あの夜繰り返したのと同じ言葉を、俺は、本河さんに告げていた。
本河さんは、噴火3秒前の火山のような、もう耐えきれないといった表情をして、ふるふると震えていた。
驚きと、羞恥と、戸惑いと、申し訳なさと。もっといろんな感情が混ざった表情だ。顔だけでなく、耳までが赤い。
……俺は本河さんに、こんな顔をさせてばかりだ、と思う。
本当は幸せそうに笑ってほしいのに、俺は本河さんを、困らせてばかりだ。
それはとても苦しいことなのに、俺はどこかで喜んでもいる。本河さんが、俺のことでいっぱいになって、俺のことで困ってくれることが、嬉しい。
歪んでいて、矛盾している。本河さんに関してだけは、俺は理性のない人間になってしまう。
たくさん、矛盾した感情を持ちすぎてしまう。
「た、鷹野くん……あの……」
「本河さん、俺ね」
本河さんがやっと、震えながら一言を口にしかけたとき。
多分、きっと、ごめんにつながるであろうその言葉に被せて、俺は言った。
「あの夜、たくさん泣いて、甘えるあなたを見て……なんだろうこの可愛い人はって、思ったんです」
本当に、そう思った。可愛くて、愛おしくて仕方なかった。
この人を守りたくて、そして、独占したいと思った。
ハの字になった本河さんのまゆに触れ、そのまま下に滑らせて、俺は彼女の、ほおを包む。
「それからはもう、あなたのことで頭がいっぱいでした。大丈夫か、泣いていないか……考えるたび、あなたに早く会いたくて、しかたなかった。入社の日は、久々に緊張しました」