年下くんの電撃求愛

指関節の部分で、そっと涙をぬぐう。そして真っすぐに、視線を合わせる。


『……あなたは、可愛いです』


そう告げると、目の前にある瞳から、大きな雫がぼろんと、もう一つ生まれた。

次々生み出されては、ぼろぼろと落ちていく涙。

大人の女性がこんなにも手放しに涙を落とすさまを、俺は、はじめて見た。

子供みたいに泣く彼女を見て生まれたのは、たまらないいとおしさだった。

抱きしめた瞬間、俺はこの人が好きなのだと思った。

好意を抱いたのはきっと3年前に助けられたときで、それが今、たしかに好きだという感情になった。


『可愛いです』


何度もそう言って、頭を撫でた。

俺の胸のなかで、ひっく、としゃくりあげる声がする。

ひっく、ひっく、と何度も繰り返し、本河さんが、ゆっくりと顔を上げる。

潤んだ瞳と視線がかち合って……まるでそうすることが当然であるかのように、くちびるが重なった。

小さくて短いキスを、いくつか交わした。

もう一度、強く抱きしめる。トントンと、あやすように背中をたたいた。


『……ひっく、』

『可愛い』


そして、思った。


この不器用な可愛い人を、守りたい。

この人のそばにいたい、と。


『……可愛いですよ、あなたは』






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