年下くんの電撃求愛
「でも……ある日、本河さんの目が腫れているときがあった」
朝、おはようございます、と挨拶をして、すぐに気づいた。
おはよう、と返してくれたその笑顔にも、どことなく元気がないと思った。
目立って腫れていたわけじゃない。明らかに肩を落としているわけじゃない。ほんの少しの違いだ。
でも、わかった。いつも知らず知らずのうちに、目で追ってしまっていたから、気づいた。
……この人はまた、1人で泣いたのか。
そう考えたら、どうしようもなくもどかしくて、苦しくなった。
いつも人のことばかり考えて、動き回って、疲れて。そして自分の辛さや寂しさは、誰にも頼らず、1人で抱えるのか。
ぼろぼろと涙を落としながら、笑顔を作ろうとする本河さんの姿を思い出して……思い出してしまったら、一度は落ち着けたはずの気持ちが、どんどん大きくなっていった。
「疲れているなら俺が癒すのに……って
、そう、思いました」
衝動のようで、願望だった。
この人を抱きしめる権利が欲しいと、そう思った。
「まだ傷ついているなら、俺が埋めるのに。俺がそばにいるのに……でも、そんなこと言えなかったんです。あなたは、忘れていたから」
「……っ、鷹野くーー」
「俺にとっては消せない時間なのに、俺だけが大きくなっていくのに、あなたのなかには何も……っ、」
冷静に、気持ちを吐露していたつもりだった。
なのに、ふいに目元が熱くなって、俺は言葉を途切れさせた。