年下くんの電撃求愛
「ーーぁ、」
「……好きです」
触れたままのくちびる同士のすき間から、吐息まじりに告げる。
気持ちを口にしたら、もう止まらなくなる。本河さんの全部が、欲しくなる。
絶え間なくキスを降らせていたら、切なげに見上げられ、体の芯がふるえた。
手首を軽くつかむ。その、つかんだ手首にも、くちびるの烙印を押す。
「あ……っ、ちょっと、待って……」
「……キスだけ」
湿り気をふくんだ声でそう言って、俺は手の甲を使い、本河さんの前髪を上げる。
開けたひたいにも、小さなキスを落とした。
キスだけ。それ以上するつもりは、毛頭なかった。
本河さんは病人だし、そうでなくても、本河さんは、俺のことを好きなわけではないからだ。
無理やりは繋げたくない。そんなものは意味がない。本河さんが好きになってくれるなら、いくらでも努力したいし、いくらでも待ちたいと思う。
もし本河さんを一番幸せにできるのが自分でないなら、自分は身を引くべきだとまでも思う。
本当に思っている。なのに。
「本河さん」
なのに……こうして触れてしまうと、急いた気持ちの方が勝ってしまうのだ。
「……本河さん、はやく」
本河さんが目の前にいることを確かめるように、ほおをさわって、俺は言った。
両手でほおを包んで、ひたい同士をくっつけて、息を吐きながら、こぼした。
「……はやく。はやく俺のこと、好きになって」