年下くんの電撃求愛
「つかれたぁーっ!!」
心からの叫びとともに、部屋の右側を陣取るベッドに、どさっと身を投げた。
支店長に報告を終えてから1時間後。わたしは鷹野くん同伴で、自身のマンションに帰ってきていた。
明日は、仕事が休みだ。休みの前の日は、鷹野くんがわたしの家に泊まっていくのが、定番になっている。
わたしたちが会うときの場所は、鷹野くんの住むマンションより、圧倒的にわたしの部屋の方が多い。
近いというのが大きな理由だけれど、鷹野くんの部屋が洒落すぎていて、なんだかわたしの肩身が狭くなってしまうというのも、理由の1つだ。
鷹野くんも、わたしの部屋が一番くつろげると言ってくれていたりする。
けれどそう遠くないうちに、このワンルームマンションともお別れする日がやってくる。
明日は朝から一緒に不動産屋に行き、新居を決めにいく予定なのだ。
隣の駅近に建った新築1LDKが有力候補。
見た目がどうこうより落ち着ける部屋にしたいねと、わたしたちは話している。
「あ!っていうか、お腹すいたよね。鷹野くん、ご飯どういうの食べたい?」
スーツをハンガーにかけている鷹野くんに、寝転んだまま、わたしはたずねる。
「えっとねー、冷蔵庫のなかにあるものだと……オムライスか親子丼か、あと、生姜焼きあたりもできるけど」
「司」
「……つ?」
「いい加減呼び捨てで呼んでよ、透子さん。もうすぐ名字一緒になるのに」
その言葉に、晩ご飯のメニューでなく、名前の呼び方のことを言われているのだとやっと気づき、わたしはぼっと、ほおを染めてしまった。