年下くんの電撃求愛
「ちょ……」
「本河さん?」
や……やばいやばいやばい。こんなの誰かに見られたら……!!
焦るあまり、上半身に大量の熱がのぼっていく。
けれど鷹野くんの悪戯は、それだけでは終わらなかった。
わたしの手の甲に、ぴたりと当てられた親指。その親指の腹で、手の甲の皮膚をなぞるように、すり上げたのだ。
「~や……っ!!」
ずくんーー、と。
体に変な感覚がはしり、わたしは思わず、短い声を上げてしまった。
昨日のキスで覚えさせられたものに、似た感覚。鷹野くんの手を乱暴に振り払い、わたしは勢いよく立ち上がる。
ルーム内に残っている社員たちが、みな、こちらを向く。
浴びてしまった注目に耐え兼ね、わたしは「……ふ……、腹痛が!!」となんとも女子力に欠ける言い訳を口走り、そのままスタッフルームから逃亡した。
なんてことだ。
なんてことだ。
なんてことだ。
同じフレーズを頭のなかで繰り返しながら、一番近くに位置していた倉庫に、弾丸のごとく飛び込む。
「は……っ、」
そして、電気もつけないまま積み上げられた段ボールにもたれかかると、ずるずると崩れるようにしゃがみこんだ。
顔を両手でおおい、深い息を吐く。
顔の熱さを手のひらに吸収させようとするけれど、手のひらも同様に熱いせいで、いっこうに冷めない。
……なんてことをしてくれるんだ、鷹野くん。
速く流れる血液と一緒に、疑問が回る。昨日のキスといい、どうしてあんなこと。
入社してきてから今までずっと、一番できる新人だって思ってたのに。
真面目な子だったのに。先輩をからかって遊ぶような素振り、全然、まったく、なかったのに。なのになんで。
「……本河さん」
「……っ、」