年下くんの電撃求愛
自分の顔に浮かぶ笑顔が、徐々にニヤけに近づいていることをはっと自覚し、わたしはくちびるを軽く噛む。
……なに喜んじゃってんの、わたし。
ち……ちがうちがう。喜ばしいのは当たり前だ。なんだか変なことになっていた鷹野くんと、こうやって、先輩後輩として、おだやかに笑い合えているんだから!うん、超ハッピーエンド!!
無理やり自己完結させてみるものの、車内という密室空間に並んで座っているという状況は、いまだ続くわけで。
そろりと、横目で鷹野くんを見る。
窓から差し込む昼の光に、色素の薄い髪も、陶器のような肌もすけて見えて、なんだかますます美しい芸術品みたいだ。
ふたたび目線を前に戻し、わたしはゆっくり、口を開いた。
「あの……鷹野くん」
「はい」
「……ほんとに、ありがとう」
なんだか気恥ずかしくなってきて、わたしは前を向いたまま、首に手をやってぎこちなく笑う。
「あー……た、頼りないよね、わたし!先輩なのにさぁ、すっごいテンパっちゃって!!ああいうとき冷静に対応できなきゃダメじゃんね!!」
「………」
「鷹野くんに全部任せちゃったようなもんだし、鷹野くんがいなかったらどうなってたか……も、今日……いてくれて、よかった。ほんとにーー」
「本河さんだからです」
明瞭な意思をもった言葉が、車内にひびいた。
はっと、鷹野くんを見る。
鷹野くんの瞳は、まっすぐに、わたしにそそがれていた。
「……俺、正直なところ、自分はわりと冷たい人間だと思ってます。ボランティア精神とか特にないですし、人のフォローにまわるのも正直面倒です。でも……本河さんだったから」
流すように紡いでいた言葉をいったん区切り、鷹野くんは、軽くまぶたを伏せ、そして言った。