年下くんの電撃求愛
……確かめないと。
さんざんため息をはき、自分を罵倒しまくったあと、わたしはゆるりと顔を起こして、くちびるに力を入れた。
確かめないと。鷹野くんに、謝って、土下座して、そして確かめよう。
あの日の夜。
わたしたちの間に、いったい、何があったのか。
「どうしたんですか?本河さんから呼び出しなんて」
翌日の、定時すぎ。
頭のてっぺんからつま先まで、体内にあるすべての勇気をふりしぼって、わたしは鷹野くんを、カウンセリングルームの一室に呼び出していた。
それはもちろん、昨日決意したとおり、記憶がない夜のことを聞き出すため……なのだけれど。
「……あの」
「はい?」
「な、なんか距離近くないかな……!?」
カウンセリングルームで2人きりになるなり、わたしは鷹野くんに、さっそく壁際まで追いつめられていた。
壁ドンとやらをされているわけではないけれど、今わたしが彼から逃げるとしたら、カニのように横歩きするしか方法がない。
「わざわざ2人きりの環境を作ってくれるなんて、迫ってもいいというお許しかなと思いまして」
わたしのしどろもどろの問いかけに、にっこりと、不敵な笑みで回答する鷹野くん。
麗しいお顔が近づいてくる。このままではなんだかとってもいつもの流れになってしまいかねないので、わたしは両手で鷹野くんの肩をつかむと、必死に突っぱねながら、短い距離をキープした。
「お、お許しではなくてね鷹野くん……!!その、話が、あって」
「話?」