年下くんの電撃求愛
そして同時に、透明なガラスにうつりこむのは、これまた微妙にあか抜けない、自分の姿。
しっかり耳を出し、後ろでしばっただけのひっつめ髪。
染めておらず真っ黒なその髪は、ただでさえうすい一重顔を、よりコケシに近づけている気がする。
「はあ……」
思わずため息を1つこぼし、そして思う。ほんとパッとしないよなぁ、わたしって。
かといって、今さらおしゃれ頑張っても、なに張り切ってんのって思われるだけだろうし。
趣味や特技があるわけでもないし。休日も仕事してる日あるし。こんなんだから……
もう一度つきそうになったため息をのみ込んで、わたしはぎゅっと、くちびるを結んだ。
……こんな風だから、達彦にも、愛想をつかされてしまったのかもしれないな。
達彦。多田達彦。
名前に”た”が多い、1つ年上の彼は、3ヶ月前まで付き合っていた、わたしの元恋人だ。
ひょろりと長くて、いくら食べても太らなかった彼。
ちょっと目が離れていて、けっしてイケメンではなかったけれど、なんだかにくめない顔をしていた彼。
社会人になってから、はじめて付き合った人だった。
恋愛不精ながら、せいいっぱい彼女をつとめていたつもりだ。ワガママにはできるだけ応えるようにしていたし、横暴なことをされようとも、文句だって言わなかった。
でも、別れは突然だった。
ある日突然、音信不通になってしまったのだ。