年下くんの電撃求愛
ラインの返信がないなぁと思って電話をかけてみたら、つながらなくなっていて。
さすがに最初は事件に巻き込まれたのかと心配したけれど、共通の知人に聞いてみれば、元気でピンピンやっているというから、ああそうかと思った。
恋愛経験が極貧とはいえ、すぐに察した。
ああ、わたしはフラれたんだって。
彼にとってのわたしは、顔を見て別れ話を切り出す価値もなかったんだなって。
そのときは、情けなすぎて、泣くより先に、笑ってしまったっけ。
……って。
「……なに思い出してるの、わたし」
はっと意識を現実に戻すと、わたしはぶんぶんと、首を横にふった。
なんでわざわざ、痛い過去を振り返ってるんだ。べつに、そんな別れ方をするロクでもない男に、未練なんてないし!!
いざとなったら、お見合いするから問題ないし!!苦さを噛みしめている暇があったら、仕事仕事!さあ仕事!今のわたしには、仕事しかないんだし!!
性急な動作でオフィスチェアーに座ると、わたしは意気込んで、書類の山にとりかかることにした。
さあ、まずは新人のカウンセリング記録チェックから。ざっと枚数を確認して……
「……あれ?」
……あれ、めずらしい。鷹野くんの分がない。
新人男性社員の一人、鷹野司くん。
この子だけはゆいいつ、提出漏れがないし、いつもよくできた文章を書くなと思っていたのに。
顔を上げ、鷹野くんのデスクを見る。
と、ちょうど鷹野くんが、鞄を片手に帰ろうとしているところだったので、わたしはあわてて呼び止めた。