年下くんの電撃求愛

「いえ。ちょっといいように言ってみただけです。でも、幼い頃からハサミを触ってたので、カットは得意だと自負してるんです。だから……」


鷹野くんが、一度言葉を切り、そっと、わたしに向かって手を伸ばす。

ちょうど肘が伸びきる距離。肩口に垂れていたわたしのひっつめ髪に、鷹野くんの指が触れた。

毛先を軽く指先に巻きつけ、わたしの長い髪を持ち上げると、鷹野くんは言った。


「……いつか、本河さんの髪。切らせてください」


とても真摯なまなざしが、一心に、わたしに注がれていた。

鷹野くんみたいな人に、真っすぐ見つめられながら懇願されて、いったい誰が、その申し出を断ることができるだろうか。

ほおに熱がのぼるのを感じながら、わたしは目を伏せ、こくりとうなずいた。





< 64 / 120 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop