年下くんの電撃求愛
鷹野くんにほほえまれ、わたしはとっさに目をそらし、自分のほおに手を当てる。
たしかに、顔が異常に火照っていた。さっき言ったように、店の中が暑かったからだろうか。頭をフル回転させているからか。それとも。
「ね、本河さん」
「ん?」
「手、繋いじゃだめですか」
……隣でそんなことを言ってくる、鷹野くんのせいだろうか。
「だ、だめです……」
「なんで」
「そ……っ、だれかに、見られるかもしれないし……!!」
「じゃあ、映画館でならいいですか」
薄茶なのに、深みのあるきれいな瞳が、わたしをとらえる。
もう何度も、ここ最近はとくに何回も見つめられているのに、いっこうに慣れることができなくて、心臓は簡単に反応してしまう。
「……暗がりのなかなら、繋いでいい?」
少しかすれた声を近距離から落とされ、胸の奥がばたばたと暴れ出すのを感じる。
さっきから、わたしは鷹野くんと、並んで歩いている。
けれど、並ぶことができているのは、鷹野くんがわたしに合わせてくれているからで。
長いコンパスを調節してくれているからで、そういうさりげない優しさにも気づいてしまうと、もう胸の暴動が止まらない。
この暴れているものがなんなのか。
わたしは、本当は、もう知っているんだと思う。
気づかないふりをしているだけ。でも、気づかないふりをするのも、限界にきている。それが、わかる。
くちびるが、戸惑う。
思わず、繋いでいいですよ、と言ってしまいそうになる。
踏み込むのはこわいくせに、いっそ、わたしから、長い指に触れてみたいとすら思う。