年下くんの電撃求愛
「……っ、鷹野くん!!ちょっといい?」
わたしの呼びかけに、鷹野くんだけでなく、デスクにいたほかの新人も反応する。
その顔ぶれの中に、今朝わたしを徹底的におとしめていた女性社員もいたものだから、わたしはうっと、息を詰めた。
す、すっごい見てくるなぁ、前山さんに片桐さん……。
ここで何かしら注意したら、また彼女たちに鬼ババアと言われてしまうではないですか。
「はい?」
「……ちょっと、そっちで話そうか」
これは、うん。場所を変えよう。
そうするのが得策だと思ったわたしは、首をかしげる鷹野くんに、にこりと笑ってドアの方を指さし、スタッフルームから出るよう促した。
ノーブヘアー各支店には、数は決まっていないにせよ、必ずカウンセリングルームというものが配置されている。
顧客のプライバシーを守るため、説明からアフターケアまですべて、個室のマンツーマン対応で行うことになっているからだ。
我が支店には八室。廊下をはさんで左右に立ち並ぶ、そのカウンセリングルームの一室を選び、中に入る。
ガチャリ、とひとたびドアが締まれば、他者の目が気にならない空間が生まれる。
空調がずいぶん前に切れていたのか、生ぬるい空気が、肌を包んだ。
「……えーと」
こほん、と一つ咳払いをして、わたしは鷹野くんと向き合った。
頭一つ分以上高い位置から、わたしを見下ろす鷹野くん。
なんとなくひるんでしまうのは、その身長の高さと、彼の顔面が発している、強力な光のせいだと思う。