年下くんの電撃求愛
数秒間、沈黙が続いた。
達彦たちはおろおろと視線をさまよわせたあと、「なんだよ」「なによ」と二流ドラマの脇役のようなセリフをブツブツつぶやいて、とても決まり悪そうに、この場を去っていった。
2人の姿が見えなくなって、わたしは、はっ、と荒い息を吐く。
でも、うまく吸えない。呼吸のリズムが狂って、苦しくて、思わず口元を押さえる。
「……大丈夫ですか?」
鷹野くんのやさしい声が聞こえたとき、やっと短く、息を吸うことができた。
とたん、目元が熱くなる。
堰き止めていた血液が、一気に放出されたみたいに、涙が込み上げて、喉がしまって、痛くなる。
……かばって、くれた。
「……っ、」
なにも言ってないのに、一瞬で状況を全部くみ取って、それで、自分の立場を貶めてまで、かばってくれた。
「本河さん」
「〜なん……っ、」
……なんで?
全部言葉にすることができずに、わたしは再び、息を詰まらせた。
……なんで?鷹野くん。
声にならない問いかけが、次々と頭のなかに浮かぶ。
なんで、そんなに優しいの?なんで、いっつも助けてくれるの?
わたし、鷹野くんになんにもしてないよ?そんなふうにしてもらえる価値ないよ?
いいところなんて全然ないし、かっこ悪いし、ダサいし、なのに、なんでわたしを助けて、優しくして、わたしなんかに、もったいない言葉ばかりくれるの?