年下くんの電撃求愛
目元が熱い。それだけじゃない。全部が熱い。
頭も、体も。いろんな箇所が、熱くて、ずきずきと痛む。
ぐらぐら、する。
世界が、まわる。
「〜本河さん!?」
視界が歪んだ。と同時に、足に力が入らなくなって、わたしはその場に、しゃがみこんでしまった。
「……っ、熱あるじゃないですか!!」
すぐにかがんで、わたしの体を支えてくれた鷹野くんは、急いた様子でそう言った。
言われて初めて、ああ、と気づく。
そっか。朝から頭が痛かったり、顔が異様に火照ったりしていたのは、熱があったからだったのか。
「体調悪かったなら言ってくれれば……っ、」
「ちが……具合悪いの、気づかなくて……」
ぼんやりした口調でそう告げると、鷹野くんはわたしの肩甲骨と膝裏に、左右それぞれの腕を差し入れた。
瞬間、わたしの体が宙に浮く。
「ひゃ……っ、」
「ちゃんとつかまっててくださいね」
お姫様抱っこの要領で抱き上げられる形になっていて、混乱したわたしは、力が入らないながら、鷹野くんの腕中であばれた。
「や……あの、降ろして…っ、」
「だめです。すぐタクシー拾いますから」
「鷹野くん!大丈夫だから!!たかの……」
「なんでそう強がるんですか!!」
鷹野くんの強い声に、はっと息をのんだ。
呆然と、すぐ目上にある鷹野くんの顔を見て、そして、胸が痛くなった。
怒られたと、思った。でも、怒っているんじゃなくて。
苦しそうに歪んだ表情が、そこに、あったから。