年下くんの電撃求愛
『してんちょーっ!!おそいですよーっ!!』
入社予定日の、少し前。
書類の提出に行っただけだったにも関わらず、なぜか支店長に来いと命令され、参加することになってしまったわけのわからない飲み会に彼女がいたときは……本当に、心底、驚いた。
驚いたどころじゃない。自分が見ているものが信じられなくて、俺はカラオケルームの入り口で、しばらく固まってしまった。
……あの人だ、と、思った。
酔っぱらっていて、全身真っ赤で、面白いテンションだったけれど、すぐにわかった。
だって、何度も思い描いていた姿だったから。
ずっと会いたかった。でももう二度と会うことはないんだろうと思っていた。その人が、視線の先にいる。
『あの女の人は……?』
混乱したまま支店長に問うと、さらに驚きを上塗りする回答が返ってきた。
『んあ?あー、本河透子。うちの支店の社員だから、お前の直属の先輩になるな』
なんと、彼女はノーブヘアーの社員で、しかも俺が配属される支店にいるというのだ。
直属の先輩。こんな偶然、起きるものなのか。
驚きのあとにやってきた感情は、強烈な興奮だった。
すごい。嘘だろ。心のなかで交互に、何十回も唱えた。
ものすごく嬉しかった。心臓は早鐘を打ち、口元がにやけてしまいそうになるのを俺は必死でこらえ、カラオケルームの席に座っていた。
きっと彼女……本河さんは、俺のことなんて覚えていないと思う。
3年も前のことだし、言葉を交わしたのはたった1回きりだ。それに、当時とは髪型も変えている。