年下くんの電撃求愛
呆然としていると、本河さんはさらにぐっと、俺の腕を引っ張った。
『〜わ、ちょ……っ、』
さっきまでまったく力が入っていなかったというのに、一体いつ取り戻したのか。
予期せぬ強い力にバランスを崩し、俺は本河さんにかぶさる形で、ベッドに四つん這いになってしまった。
『……っ、』
さらなる驚きに、目を見張る。
目下に、本河さんの顔。これではまるで、俺が本河さんを襲っている図じゃないか。
本河さんの瞳のなかで、驚きに満ちた俺の顔が揺れている。
やばい、と思った。それ以降思考が停止してしまい、動けなかった。
しばらく見つめ合ったあと、本河さんは『あれ……?』と小さくつぶやき、俺のシャツから手を離した。
『たつひこじゃ、ない……』
その声に、はっと我にかえる。
あわてて体を起こし、尻もちをつくように、後ろに座り込む。
本河さんももぞもぞと動いて起き上がり……そしてなぜか、ベッドの上で座って向き合うという状況が生まれてしまった。
これは、どうしろと。ますます困惑していると、目の前で、本河さんがベッドに手をついた。
『あの……まちがえちゃって、ごめんなさい……』
そして、ぺこりと頭を下げて、律儀に謝ってくる。
『……いえ……』
『はじめまして』
『はじめ、まして……』
『本河透子です』
……知ってます。
俺がうなずくと、本河さんはぺこぺことお辞儀を繰り返しながら、O型です、山羊座です、と一生懸命自己紹介をし始めた。