透明少女

キーンコーンカーンコーン・・・
チャイムがなって静かに日直の合図が掛かった。「手紙よんだしょ?」
「あぁ、読んだ読んだ。和真と愛奈には渡してないんだけどね。」
「そっか。愛奈!」
澄真が少し大きな声を出して呼ぶと、向こうにいた愛奈が振り返っていろはと澄真のいる方にやって来た。
「なになにー?呼んだ?」
ちなみに愛奈は大人しめないろはに比べてに明るい性格である。クラスでもどちらかというと中心人物だ。
「愛奈は夏休みなんか予定ある?」
「いや特にないよ。ちょっと塾が入っちゃってるけどね」
「じゃあ、俺と愛奈といろははOKだな。あとは・・・」
ちらりと澄真が目をみやる。
「どしたの?和真誘わないの?」
「いやぁ誘いたいんだけどさあ、あいつは勉強忙しいのかなって。」
と、いうのも和真の家は代々続く医者家族。お父さんは四十代にして病院の医院長。そして和真のお兄さんは内科を目指して医大に入っている。そんな理由で和真も必然的に医師なるざるを得ないという。
「あぁ、和真 頭いいからねえ」
愛奈は羨ましそうにつぶやく。
「まあ、和真も誘われなかったら逆に傷つくかもだし・・・一応誘ってみよ?」
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