俺と結婚しろよ!
こんな様子で、順調に楽屋挨拶を済ませ……残ったのはF。
そう、賢ちゃんのFのみだ。
「やべーよな、Fなんて」
悠真は青ざめている。
「リーダーの艶(エン)、めちゃめちゃ怖いって噂だよね」
大輝も震えているが……
あたしも負けず劣らず震えていた。
だけど、あたしは艶が怖くて震えているのではない。
そう、玄……賢ちゃんだ。
賢ちゃん、あたしのこと覚えてくれているのかな?
どんな反応するのかな?
そんなことを考えると、心臓が破裂しそうで。
会いたくないとさえ思った。
もしかしたら、知らなかったほうが幸せなのかもしれない。
賢ちゃんの現在を。