俺と結婚しろよ!





でも……




「あたしと付き合っていても、また女遊びを始めるかもしれません」





あたしはそれが怖い。

このままどんどん深みに入った時に、裏切られるのが。

今でさえ、こんなに打撃を受けているんだから。






優弥さんは複雑な顔をした。

そして、



「そうかもしれねぇ」



低く言う。




「それならそうやって、賢一に言ってやってほしい」





賢ちゃんには会いたくない。

このまま消滅するのが一番だと分かっている。

賢ちゃんに会ったら、また好きが溢れてしまうかもしれないから。

きっと、泣いてしまうから。

だけど、優弥さんに言われるように、きっちりけじめをつけないといけないのかもしれない。

賢ちゃんのためにも。



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