正義の味方に愛された魔女2
隼人は店のアルバイト店員の沙耶をひとしきりからかったあと、
部屋に入って思った。
母さんのお気に入り従業員な訳がわかる。
裏表がないと言うか…。
視なくても判るレベルで素直だし。
だけどあぁいう子は俺なんかにキャーキャー言ってちゃダメだろうよ……って、面白がって構ってる俺もダメだろうよ……。
沙耶ちゃん、この男は女の子を本気で愛せない悪魔だよ?
やめときな。俺はダメだよ。
これは魔女の制裁が加えられるのだろうか……。
会社の後輩に頼まれていた本を何冊か選んで店に降りた。
「悪いんだけど、これが入る位の大きさの段ボールか厚手の袋か何か、もらえ無いかな?」
レジ台の上に、IT関係の本がたくさん積み上げられた。
沙耶にはわからない分野の本だ。
「段ボールもあるけど、この量だと持ち手があった方が…。
…えっと、一番大きなペーパーバッグはこれです。
厚手だけど、二枚重ねましょう…。
はい!全部入りました。重くて大きい石が売れたときに使うものだから大丈夫だと思いますよ」
《す、凄い量~!過去にこれ全部、読んだの?
私には多分チンプンカンプンだ…》
「ありがとう。助かるよ。
そう。でもこれ何年も前のなんだ。
うちに新しく買ったのあるし読まないからこっちに置きっぱだったけど、
会社に欲しい奴が居て、取りに来たんだよ。
ここで育って18まで居たけど、石っころや色んな匂いの事は、
俺には多分チンプンカンプンだ…ははは…あ、電話」
画面を見てテンションが一気に下がる。
「……もし。……あぁ。
……うん。だからもう……。
…………いや、そうじゃない。
だから作り話なんかじゃないって。
もう続けられないんだって、長い時間かけてちゃんと話しただろ?
………………。
わかったよ……わかった。
証明すればいいんだな?
……ん。連絡する。あぁ」
はぁ…………………。
「そんな大きいため息ついたら、すごく大きい幸せが逃げてっちゃいますよぉ?
荷物ひとつ持ちますね、車なら駐車場まで、歩きなら店の外まで運びます」
「いや、車だけどいいよ。店空けられないでしょ?
それじゃね、お邪魔しました」
「あ……そうですね。はい、じゃ。
また、お越しください」
「ぶっ……お客さんじゃないし……。
あ、母さんにね、『近々、謝罪とお願いにお伺いします』って伝えて?
ガッチリ両手で両腕を掴んで。そしたら全部わかるはずだから」
「はい!しっかりガッチリはっきり全部伝えますね」
《今の電話の相手は、彼女さん?
勝手な想像だと…心を視る力の話が作り話だと思われてるとか?
別れ話みたいだったよね?
別れるのかな?……でもだからって私は相手にされないな、きっと……。
だから……目の保養でいい……》
情けない俺は、元カノの件で魔女を召喚しなければならない。
お願いしに行ったらきっと『店の子に構うな!』と釘を刺されるんだろうな。
はぁ……………………。
これで、今日逃げた『すごく大きな幸せ』は二つになったな……。
部屋に入って思った。
母さんのお気に入り従業員な訳がわかる。
裏表がないと言うか…。
視なくても判るレベルで素直だし。
だけどあぁいう子は俺なんかにキャーキャー言ってちゃダメだろうよ……って、面白がって構ってる俺もダメだろうよ……。
沙耶ちゃん、この男は女の子を本気で愛せない悪魔だよ?
やめときな。俺はダメだよ。
これは魔女の制裁が加えられるのだろうか……。
会社の後輩に頼まれていた本を何冊か選んで店に降りた。
「悪いんだけど、これが入る位の大きさの段ボールか厚手の袋か何か、もらえ無いかな?」
レジ台の上に、IT関係の本がたくさん積み上げられた。
沙耶にはわからない分野の本だ。
「段ボールもあるけど、この量だと持ち手があった方が…。
…えっと、一番大きなペーパーバッグはこれです。
厚手だけど、二枚重ねましょう…。
はい!全部入りました。重くて大きい石が売れたときに使うものだから大丈夫だと思いますよ」
《す、凄い量~!過去にこれ全部、読んだの?
私には多分チンプンカンプンだ…》
「ありがとう。助かるよ。
そう。でもこれ何年も前のなんだ。
うちに新しく買ったのあるし読まないからこっちに置きっぱだったけど、
会社に欲しい奴が居て、取りに来たんだよ。
ここで育って18まで居たけど、石っころや色んな匂いの事は、
俺には多分チンプンカンプンだ…ははは…あ、電話」
画面を見てテンションが一気に下がる。
「……もし。……あぁ。
……うん。だからもう……。
…………いや、そうじゃない。
だから作り話なんかじゃないって。
もう続けられないんだって、長い時間かけてちゃんと話しただろ?
………………。
わかったよ……わかった。
証明すればいいんだな?
……ん。連絡する。あぁ」
はぁ…………………。
「そんな大きいため息ついたら、すごく大きい幸せが逃げてっちゃいますよぉ?
荷物ひとつ持ちますね、車なら駐車場まで、歩きなら店の外まで運びます」
「いや、車だけどいいよ。店空けられないでしょ?
それじゃね、お邪魔しました」
「あ……そうですね。はい、じゃ。
また、お越しください」
「ぶっ……お客さんじゃないし……。
あ、母さんにね、『近々、謝罪とお願いにお伺いします』って伝えて?
ガッチリ両手で両腕を掴んで。そしたら全部わかるはずだから」
「はい!しっかりガッチリはっきり全部伝えますね」
《今の電話の相手は、彼女さん?
勝手な想像だと…心を視る力の話が作り話だと思われてるとか?
別れ話みたいだったよね?
別れるのかな?……でもだからって私は相手にされないな、きっと……。
だから……目の保養でいい……》
情けない俺は、元カノの件で魔女を召喚しなければならない。
お願いしに行ったらきっと『店の子に構うな!』と釘を刺されるんだろうな。
はぁ……………………。
これで、今日逃げた『すごく大きな幸せ』は二つになったな……。