正義の味方に愛された魔女2
あれっ?信也くんの心ってこんな感じだっけ?
さっきより重さと暗さが増した様な…。
あぁ…まただ。
底なしの暗闇が彼の頭上から足に向かって流れて行く。
何か明るくなる話題を…ダメだ、引っ張られる。
黒い感じが強すぎて。
これきっと本人も引っ張られてるはずだよ。
手を触れている場所から、私の右手が持っていかれる…。
助けて…龍二…。
声、出ない!
あ、手……左手、動かない!
どうしよう…どうしよう!どうしよう!!
あ、足は少し動く…。
ヒールで床を叩けるだろうか…。
コツッ…コツコツッ!
床に当たる感覚はあるのに、音が聞こえない!!
握っている手が……二の腕まで黒い影に引っ張られていく……と思ったら、
背中が暖かくなって、景色がだんだん戻って……
《百合…百合……大丈夫だろ?大丈夫だよな?》
龍二が背中から私を包むように抱き込んで、机に手をついてくれていた……。
「ぅ……あ……あ、だ、大丈夫。ありがとう」
…声、出た……自分の声も聞こえた。
龍二ぃ…助かったぁー。
「内田さん……手アセ、ハンパ無い……俺もちょっとボーッとしてた。
大丈夫?」
「う……うん。更年期障害かなぁ?やだね」
《やっぱり大正解!
なんか、ずっとこのままでいたいけど変だよな?》
龍二が離れたあとの背中や肩がスースーするよ……。
「……それ、母さんも時々言ってる」
《婆ぁの世話の疲れもあったはず。
いくらボケてるって言っても、世話になってる嫁の悪口、毎日、隣近所に聴こえるくらいデカイ声で叫ぶとか、許せなかった……。
毎日毎日、うるせぇんだよ…ったく》
そっか。麗子さんを思ってのことでもあったんだね……。
「お母さんの心配して優しいんだ…」
「……いくら解ってくれない親でも、病気で死んだら悲しいから」
「そうだね、だけど、おばあさんもお父さんのお母さん…だよね」
信也くんは、背中を丸めて、机の高さより小さくなった。
背中をさすりながら話しかける。
「ご両親にさ……話してごらんよ」
信也くんは、ビクッとなって恐る恐る顔を向けた。
「……婆ぁの話?」
「信也くんが今『話さないといけない、話して解ってもらいたい』と思ってること全部」
「解ってくれる…かな?」
「解ってもらえるように話すの。一回でダメなら何回も話すの。
ほんとに会話のない親子だなぁ…」
「内田さんは、親子の会話ある?」
「うんうん。
知らなくてもいいことまで解っちゃうくらいだよ?
でもうちは、知られたくない事が少ないと思う。全然ない訳じゃないけどね。
だって、解ってあげたり解ってもらったり、したいから……」
「そこの刑事さん、俺、今度の聴取の時に……『あー、あのさ、信也くんが話したいことを話すんだよね?』」
被り気味で話を繋げてしまったよ。
だって、ここで自白なんてしないでよ。雅也の子が自白するのを冷静に見ていられないと思う…。
龍二、ごめんね、先伸ばしにして。
さっきより重さと暗さが増した様な…。
あぁ…まただ。
底なしの暗闇が彼の頭上から足に向かって流れて行く。
何か明るくなる話題を…ダメだ、引っ張られる。
黒い感じが強すぎて。
これきっと本人も引っ張られてるはずだよ。
手を触れている場所から、私の右手が持っていかれる…。
助けて…龍二…。
声、出ない!
あ、手……左手、動かない!
どうしよう…どうしよう!どうしよう!!
あ、足は少し動く…。
ヒールで床を叩けるだろうか…。
コツッ…コツコツッ!
床に当たる感覚はあるのに、音が聞こえない!!
握っている手が……二の腕まで黒い影に引っ張られていく……と思ったら、
背中が暖かくなって、景色がだんだん戻って……
《百合…百合……大丈夫だろ?大丈夫だよな?》
龍二が背中から私を包むように抱き込んで、机に手をついてくれていた……。
「ぅ……あ……あ、だ、大丈夫。ありがとう」
…声、出た……自分の声も聞こえた。
龍二ぃ…助かったぁー。
「内田さん……手アセ、ハンパ無い……俺もちょっとボーッとしてた。
大丈夫?」
「う……うん。更年期障害かなぁ?やだね」
《やっぱり大正解!
なんか、ずっとこのままでいたいけど変だよな?》
龍二が離れたあとの背中や肩がスースーするよ……。
「……それ、母さんも時々言ってる」
《婆ぁの世話の疲れもあったはず。
いくらボケてるって言っても、世話になってる嫁の悪口、毎日、隣近所に聴こえるくらいデカイ声で叫ぶとか、許せなかった……。
毎日毎日、うるせぇんだよ…ったく》
そっか。麗子さんを思ってのことでもあったんだね……。
「お母さんの心配して優しいんだ…」
「……いくら解ってくれない親でも、病気で死んだら悲しいから」
「そうだね、だけど、おばあさんもお父さんのお母さん…だよね」
信也くんは、背中を丸めて、机の高さより小さくなった。
背中をさすりながら話しかける。
「ご両親にさ……話してごらんよ」
信也くんは、ビクッとなって恐る恐る顔を向けた。
「……婆ぁの話?」
「信也くんが今『話さないといけない、話して解ってもらいたい』と思ってること全部」
「解ってくれる…かな?」
「解ってもらえるように話すの。一回でダメなら何回も話すの。
ほんとに会話のない親子だなぁ…」
「内田さんは、親子の会話ある?」
「うんうん。
知らなくてもいいことまで解っちゃうくらいだよ?
でもうちは、知られたくない事が少ないと思う。全然ない訳じゃないけどね。
だって、解ってあげたり解ってもらったり、したいから……」
「そこの刑事さん、俺、今度の聴取の時に……『あー、あのさ、信也くんが話したいことを話すんだよね?』」
被り気味で話を繋げてしまったよ。
だって、ここで自白なんてしないでよ。雅也の子が自白するのを冷静に見ていられないと思う…。
龍二、ごめんね、先伸ばしにして。