正義の味方に愛された魔女2

③ 甘々な労い

「大変なボランティアだったな?
給料欲しくなるレベルだったんじゃないか?」


帰宅途中、龍二はいつも私を労ってくれる。
過剰なほどのボディタッチ付で…。

片手運転はダメ!でしょ?


「口にはしなかったけど個人的感情で進めた気がしないでもないから、そうは思わないよ。

龍二、ごめんね。信也くんが自白するのを遮ってしまって…。
それと、触らなくても私が雅也に言いたかったこと言ってくれて、ありがとう。

あと…やっぱり大正解だったね…中和。
足だけ、それも少ししか動かないし、声は出ないし、聞こえないし、焦ったぁ。
龍二がいてくれなかったら気を失うかも知れなかったね。
正義の味方は頼りになるわぁ…」


赤信号でチュッて……チュッてしないの!
誰かに見られたら恥ずか……いや、見ちゃった人が気持ち悪いでしょーよ。


「あれは、もっと早く気付けたらよかったな…。
合図するの遅くないか?我慢して様子視てただろ?
勘弁してくれよ……。戻って来れなかったらどうするんだよ。
気を失うならまだいいけど、百合を失うくらいならボランティアはもう頼まない」


「死ぬことは無いと思うけどねー。
まだあの感じに慣れてなくてさ。次はもっと上手くやるね」


「あぁ、なんで未知のことにそんなに楽天的になれるかな…度胸あるよなぁ。

とにかく今日もご協力感謝します、だよ」


最近、送ってくれて降りる場所が、従来の店舗正面ではなく、店舗裏の小さな専用駐車場が定番になった。
停まって、一旦シートベルトをはずし、抱き締めてキスをしてからじゃないと、降ろしてくれない。

「離れる時は、しないとな?それっきり殉職して会えなくなったら百合が後悔するだろう?」

縁起の悪い理由をつけないで…。


一度戻ってから夜うちに来ると言ってUターンして行った。

今晩また身近な生活用品を持って来ようとしているのが視えた。
忙しい中、一緒に暮らす準備も進んでいるらしいね。

『忙しい時は送ってもらわなくていいよ』と言ったら、

《力、使って疲れているのに一人で帰せないよ。
そんなに時間かかる訳じゃないのに…。
たくさん一緒にいたいと思ってるのは俺だけか?》

と拗ねるので、ありがたく甘え続けている。

日を追うごとに、どんどん甘くなる龍二。

やり手のイケメン捜査一課長は、本当はデレデレで甘々で、
……エロエロなのだった……。





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