正義の味方に愛された魔女2
6 悪魔の恋は面倒です

① あの人が、あの人だった!

「沙耶ちゃん、ただいまー。お店、ありがとね」


「百合さん百合さん百合さん百合さーん!」


えっ?何?どうした?


「はい、私が百合さんです……って、どうしたの?」


「どうしたもこうしたも無いんですよー、あの、あの人が、あの人だったんですー!」


うーっ、なんだそれ?!
なんだか解らないから、その細っこい腕を掴んで視た。


《あ…………》


「そ、そうですね、視てください……。


そうだ!それでね、伝言です。

隼人さんから、『近々、謝罪とお願いにお伺いします』って伝えて欲しい、と頼まれました。
ガッチリ両手で両腕を掴んで伝えたら全部わかるはずだからって。

もう…私、どうしてこうなんですかねー。
また、憧れのうちに、好きになる前に、相手にされてないみたい…。
やっぱり、目の保養だけにしておきなさいってことですよね」


「沙耶ちゃん……隼人で目の保養が出来るなら、目薬もブルーべリーサプリも要らないんだけどねぇ……」


えーと?
沙耶ちゃんを、からかって遊び?
付き合ってる(た?)彼女に力のことをうち明け?
別れるつもりが、こじれて証明を求められ?
……そこで、どうして私の出番?
親馬鹿とマザコンじゃないんだからね。
魔女の制裁を受けろ!だ。
28にもなって……。
麗子さんに言った通り「何やってんじゃコイツ」だなぁ。


「隼人は悪魔だよー?」


「えー?あんな素敵な悪魔なら、魔界に移り住みたいですよー」


はぁ…。
あっちもこっちも、しっかり責任とりなさいね。
魔女の制裁は甘くないんだから……。



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