正義の味方に愛された魔女2

② リミッター有りのディナー

フレンチレストランでの龍二のエスコートやマナーはとってもスマートで洗練されていた。

過去にそれなりの機会があって、昨日その時の記憶を辿っていたものね……。

カッコイイなぁ私の彼氏は…。
背中や腰に優しく当てられる手が、もうね、ほんと、ドキドキする。
私、50歳のおばさんなの忘れちゃうよ。

乙女な女の子扱い、バンザイ!


「龍二が紳士だ!慣れてるね」


「慣れてねぇよ……こんな所、そう何度も来るもんじゃないし」


…あぁやっぱりシャンパンで乾杯するのね?
テーブルに置かれたグラスの中の、シュワシュワの泡が、綺麗…。


「いろいろ話をしてから、と思ったけど、その前に乾杯だけしないか?」


「視るのはここまでね。うん、そうしよう」


「これからの二人の生活に……乾杯」


「乾杯ー」

あ、龍二め、アルコール度数の高いシャンパン選んだね?
その辺敏感なんだからすぐ判っちゃうよ。
一瞬にして人の心が『奥行きの無い世界』に変わるんだよね……。


「せっかくだから、まず食事を楽しむか」


お料理はすごく美味しかった。
龍二の好みで選んだら絶対お肉の多いコースにするはずだけど、
私の好みでシーフードだらけですよー。プリップリのオマール海老にほっぺたが落ちますね…。


デザートまで完食して、コーヒーが運ばれてきた…。


「お料理、すごく美味しかったね。龍二はお肉の方が良かったかもしれないけど。
一応、一旦ごちそうさまでした」


「いや、旨かったよな。やっぱりこっち選んどいて正解……よかった」


そして龍二は急に真剣な表情になって静かに話し始めた。






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