正義の味方に愛された魔女2
毎日寒いとお風呂が天国だわぁ……。今日は幸せな気分だからなおさら至福の時間だった。


婚約指輪はお風呂にはいる前にはずして、ケースにいれた。
やっぱり、何かあるときだけつけることにしよう……。



今日も龍二はベッドで待ってないんだね。
ドライヤーをかけ終っても寝室に入ってこないと言うことは?
リビングで何か、新婚生活についてのお話ですかね?


「そんなに長湯して、よくのぼせないよな……ほら、ここ」


あ、また昨日のデジャブ……。

ソファに座っていた龍二が隣に座れ、と……。

ちょっとドキドキ。
だけど昨日と違って、くっついて座るとすぐ視えちゃう。


あ………。


そして、目の前のテーブルにちょこんと置かれた、この前の倍の大きさのベルベットのジュエリーケース……。


視えていたもの。でも、実物を見て、龍二の心を視て、聴いてしまうと、もうダメだ…。


「参ったな……早すぎるだろう、泣くの。
乙女な百合に順を追って、それなりに考えてやってるんだけど、俺。
ここで涙は困るぞ?」


「ごめんね…ありがとう。視えちゃうのよ龍二がやろうとしていることが。
でも……ぐすっ……。うん。
はい!進めて進めて」



「開けてみて?」


ふたを開けるとやっぱり視たときより素敵に見える、大小二つ並んだ結婚指輪。


「実物はやっぱり素敵だね。これからずっとするんだね、これ。
あれ?もしかしてこれって昨日もらったのとデザイナー同じかな?お揃いじゃないけどなんとなく…」


「おぉ、流石だな。もの作る奴には刻印見なくても判るんだ」


あぁ…あったよあったよ。
デザイナーと、pt900の刻印、それと定番の……○to○……二つそれぞれRとYの入れ違い。
婚約指輪にあったlove foreveをこっちにも入れてくれたんだったね。



「それな、女性店員に『お相手はどんな方ですか?』って聞かれたから、
『幾つになっても可愛い人ですよ』ってな、ノロケてやった。
そうしたら、いくつかデザイン選ばせてくれて『刻印は絶対これ』って力説されたんだよ……。
夢見る乙女に省略はありえないってことだな」


あの時のショップの人だよね。
ごめんなさいだわ、もっと若い人想像したでしょうね?
でもこういう感じのデザインは好きだな……。
龍二が私の年齢を言ってたら、きっともっとシンプルで地味な物を出してきたはずだよ………。


「龍二、一人で買いに行ったんだよね。私
はそれがすごく嬉しいの。ありがとう。

そういう感覚は変わってるかもしれないけどね。
もし、もらえるとしたら、私は選んでもらいたかったの。結婚指輪も。


みんな、二人で身に付けるものだからショップで二人で選んだりするよね?
そして、ほとんど彼女の好みにしてもらえる。
実は昔ね、私もそうしたの。

でもね、もし二回目があったら、その時は、別に指輪なんて要らないかな?とも思ってた…。
もし用意するなら今度は、
相手の好みで選んだのを身に付けたかったんだよね。

『この女は俺のだぞ』って主張するのに、
自分の気に入った物を半分こにして渡して、
一生、身に付けさせておく話は、昔からあるよね。

……たとえばどこかの国に兵士が奥さんと二人で暮らしててさ、
夫が戦場に出向く時に、いつも身に付けていた貴石を半分に割って渡して、約束するの。ふ
『必ず生きて帰るから、これを俺だと思って持って待っていろ。いつも一緒に居るからな』
とか言っちゃって……。

夫の気持ちが入ってるものを、一緒にいつも身に付けて持って待ってるの。

うふふ……。ロマンティックでしょそういうの……」


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