甘いささやきは社長室で



それから、シャワーを浴びて支度をし直した私は、桐生社長とまた合流して、朝食を食べ……と朝を過ごした。

そして東京へ戻るべく、東京行きの新幹線に乗り仙台を発った。



相変わらず混雑する帰りの新幹線でも、座席は隣。

行きの時も意識してしまったけれど、昨夜のことを思い出すと、余計ドキドキとしてしまう……!



けどこのドキドキをさとられてしまわないように、私は気を紛らわせるように仕事でもしようと、ノートパソコンを取り出し文書作成を始めた。

やっておけば会社に戻ってからの作業もはかどるし……。



「なに、マユちゃん移動中も仕事するの?」



そんな私のパソコンの画面を覗き込むように、桐生社長は声をかける。



「え、えぇ。戻ってからの仕事がはかどるように」

「へぇ、えらいねぇ」



そう言いながら、彼からこぼされるのは「ふぁ」と大きなあくび。

気の抜けた表情すらも、綺麗に見えてしまうから、余計に困る。


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