甘いささやきは社長室で
そして迎えた、一週間後。
今日1日の仕事を終えた夜、僕と彼女の姿は六本木にある大きな通り沿いを歩いていた。
ストライプ柄のスーツを着た僕の隣には、黒いタイトなワンピースを着たマユちゃんの姿。
デコルテを覆う黒いレースがいやらしすぎないセクシー感をただよわせ、アップにしている髪型がめずらしい。
その顔は、不満そうだけれど。
「マユさーん?怒ってる?」
「……えぇ、怒ってます」
「なにをそんなに怒ってるのさ。よく似合ってるよ?そのワンピース」
ムスッとしたままのその顔に首をかしげると、マユちゃんは不機嫌な目つきで僕をにらむ。
「だからって、こんな何万円もするものをポンと人に買い与える人がいますか!もっとお金の使い方を考えてください!」
そう、その不機嫌の理由というのも、僕がそのワンピースを買ったから。