無垢なメイドはクールな彼に溺愛される

「誤解です ユキさん、誤解誤解
 そういうことじゃなくてですね
 これはユキさんへ、僕のほんの気持ちです」

 必死に弁解する大石の勢いにのまれて、

「……え?

 あ……ありがとう…ございます」

 紙バッグを受け取ったものの……


―― ん?

 リビングに大石を案内してドアを閉め、廊下に出てからあらためて名刺を見たユキは驚いた。


【大石 宙】


 大石という苗字は知っていたが、名前までは知らなかった。
 宙にはSORAとアルファベットで読みが付いている。



――まさか、あの宙さん?


 果たしてこれは偶然なのか……


 それともブログ「月下美人」の管理人アネモネがユキと気づいての告白なのか……
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