無垢なメイドはクールな彼に溺愛される
「ねえユキ、今年も誰にもあげないの?」 

 陽菜乃とユキは高校、大学と一緒だった親友だ。

「あげるよ
 えーと、シェフと庭師の玄さんとSPの崎田さんと…」

「ちょっと、それじゃいつもと同じ青木家の仕事仲間じゃない
 そういうんじゃなくて、本命よ」

「それは――いない」


「ユキ、社会人になってから
 本チョコ誰かにあげたことあったっけ?」

「うん、ないかな」

「そっかー、
 ねぇユキ、もしかして……まだ気にしてる?」


「え?」


 人一倍真面目な上に通ったのが女子大だったユキにも、
 ほんの数回合コンに行く細やかな冒険もあって、そこで知り合った好きな人がいた。


 某有名大学に通う彼は、
『合コンとかってボクは苦手で』と照れたように首を傾げ、
 同じように『私も』と戸惑うユキと話があった。


 誠実そうでとても感じのいい優しい笑顔の持ち主の彼と何度かデートを重ね、


 バレンタインには手作りチョコレートを用意して……
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