無垢なメイドはクールな彼に溺愛される

 モンブランを選んだ鈴木は、甘すぎないクリームを堪能しながら食べつくすと、おもむろに

「手を見せて……」 と、言った。


 不思議そうに頷いたユキは、手を差し出した。



 手入れはされているがマニキュアはしていない。
 綺麗な手だが、メイドを続ける限り普通のOLよりは水仕事で荒れる機会も多いだろう……そう思いながらユキの手を握った。


「好き? メイドの仕事」

「はい」


 鈴木はそのままユキを抱き寄せた。



 こんな時、恋する男は何て言うのだろうと思いながら……

 口から零れた言葉は


「ユキ 好きだ

 愛してる……」



 世界中で最も平凡な言葉になってしまった。
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