瑠璃色の姫君
ぎゃっ、2人とも目ぇ怖いよ……。
「嘘でしょ、嘘と言って、バベル!」
「ほーら! ロゼアさんに勝ち目はありませんよーだっ」
ごめんなさい、ロゼアさん。
なんで自慢気なの、フリュイさん。
「とにかくごめんなさい、僕はずっとレティシア一筋なんですっ!!」
もー恥ずかしい。何言わせるんだっ。
助けを求めようとまたジルを見れば、いつの間にかスタンバイしているようにロゼアの後ろにいた。
あー……もしかしてそれ、ロゼアの味方してます、って意味?
ジル、すごくわかりにくいよ。
それにフリュイはそんなの関係ないと思ってるみたいだよ。
まあ関係あってもロゼアが気に入らないみたいだから、飛びかかると思うけれど。
「バベルっ、そんなの聞いてないわよ」
そりゃそうだろう、ロゼアにはそのようなこと一言も言ってないのだから。
噂で聞いてるんだろうなと思ってたからその反応は予想外だった。
でもとりあえずは、ごめんなさい。
「ていうか、ロゼアさんはバベルと結婚したいと言ってもアレでしょ!」
「アレって何よ、美少年!」
「フリュイですっ! 別にバベルに恋愛感情あるわけじゃないでしょ!」
「はぁっ、そんなことないわよ!」
「絶対恋愛感情ないくせにそんなこと言うのおかしいよ!」
「生意気言ってんじゃないわよ!」
今までは言葉とは違い格好は足を組んで大人な対応をしていたのに、バン、とロゼアがテーブルを手で叩いてとうとう立ち上がった。
その拍子にティーカップがガタガタ揺れる。
あぁもう、なんでこんなことに。
「だって!」
フリュイがビシッとロゼアのちょうど心臓あたりを指差す。