瑠璃色の姫君
まあ、絶対レティシアを見つけて結婚するって決めてるからそうはさせないけど!
でも、未来はわからないからこれだけは言っておいてあげよう。
「ジル、心して聞きな」
僕が考える一番の良い方法をジルに教えてあげよう。
「ジルがやりたいようにやればいいよ」
「やりたいように、ですか?」
「そう、それが幸せになれる近道」
よく言うじゃん?
後悔するなって。
やりたいように、思うままに、感情に任せて行動すればきっと、一番大切なものを優先するだろう。
ロゼアとジルの一番が全く同じとは限らないけれど、でも、一番は簡単には変えられないものだから。
もし一番が違ってもどうにか諦めがつくだろう。
だから、僕は酷なことは言わない。
無責任に、2人が運命に逆らってでも結ばれることを願うなんて、言わない。
僕は2人の個々の幸せを願う。
それが運良く交差することなら、願ってもいいかなと思う。
人に合わせることは時として重荷になるものである。
その時、後悔してしまうのは自分にも相手にも失礼だ。
自分の一番を優先すれば、あとあと後悔はしないはずだ。
後悔したとしても、仕方ないか、と思えるはずだ。
だから。
「自分の幸せを一番に考えて」
僕は、それぞれの幸せを願うよ。