チェロ弾きの上司。
夜。
微睡んでいると、電話の着信音で目が覚めた。

ディスプレイを見て、固まった。

【真木響也(会社)】。

時計を見ると、午後7時。

何だろう、仕事で問題発生とか?
明日は出社できるかとか?

おそるおそる通話ボタンを押す。

「はい、望月です」

『……悪い、寝てたか?』

耳元で響く声に、何故か切なくなる。
何これ。

「……今日は申し訳ございませんでした」

『調子はどうだ?』

「おかげさまで、かなりよくなりました」

『飯、食ったのか?』

「いえ……」

『食べられそうか?』

「はい、うどんでも食べて、明日には、」

『今から行く。待ってろ』

はい⁉︎

「あの、すみません、意味がわかりません!」

……切れてる……。

しばし、呆然とする。

あたし、1日寝てたし。
スッピンだし。
部屋に男性あげたことないし。

風邪うつしたくないし。

どうしよう⁉︎

< 120 / 230 >

この作品をシェア

pagetop