チェロ弾きの上司。

で。またも、チェロソロ、ドルチェのメロディの前に、真木さんはあたしに視線を送ってくる。

はいはいっ。


…………うわぁ……

音は、めっちゃビブラートかかってて甘くて艶っぽい。

それよりも、何よりも。
魅入られるというのは、こういうことをいうんだと思った。

…………ほんとに、目が離せない。

真木さんは感情が入ると、前かがみになって、楽器を抱きしめるような格好になる。

それが今日は、すごく……色っぽく見えて。

思わず、抱きしめられた時の感触を思い出してしまって。

うわぁ! 本番中なのに!
やっぱり演奏妨害です!



第2曲でチェロソロがあらかた終わると、ほっとした……。けど、ちょっぴり残念なような……。



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