チェロ弾きの上司。



「望月、今日空けられる時間は」

翌日朝礼後、真木さんがきいてきた。

ふと考える。
昨日30分と言ってしまったから、時間内に終わらせようとあんなスピードで説明してくれたのかな、って。

「午後の1時間でしたら……」

時間に余裕があれば、もう少しゆっくりのテンポになるんじゃないかな。



と思ったあたしは甘かった。

「ここからここまでセルを選択。ここに貼り付け。するとこっちのシートにリンクかけてるから計算結果が自動で入るようになってる」

ただいま、真木さんのデスクにて、仕事教わり中。
真木さんがパソコンを操りながら説明してくれているんだけど……。

は、速い。

真木さんはショートカットキーを駆使し、右手と左手が両方動く。

やはりアレグロのままで、アレグレット(やや快速)にはならないのでした……。

長くてキレイな指だなぁ、ショートカットキー使えるとかっこいいよね、なんて思ったのは最初の一瞬で、その後はついていくのに精一杯。

必死でメモを取るけど追いつかない。

「ハードコピーかけてやるから、今は流れを覚えろ」

そう言いながら、真木さんは説明を続ける。

あたしは要点だけ書き留めることにした。



「……以上。やってみて分からなかったら質問に来い」

す、スパルタ……。

「はい……」

げっそりしながらお辞儀をして、ハードコピーされた紙を取るためプリンタに向かった。

結局、説明15分、実践40分という結果となりました……。




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