不器用ハートにドクターのメス
「んな決めつけることねーだろ。ぴったりだと思うよ、こういうピンクのクマ。お前に」
「そ……っ、そんなこと――」
「それに」
軽くのけ反って反応した真由美に、神崎は短い言葉を落とし、目を逸らさずに続ける。
「もっと、今みたいに話してくれればいい」
「え……?」
「この間、職員駐車場で言ってただろ。話すのが苦手だって」
話すのが苦手。
そういえば数日前、先生に変な悩み相談をしてしまったのだったと、真由美は思い出す。
人見知りで、話すのが苦手で、悩みを告げられるような友達がいないと。そんな相談を、つらつらと長く、吐露してしまったのだ。
固まる真由美を前にして、神崎は何か考えるように眉根を寄せ、それから再び、口を開く。
「なんつーか……福原は気を遣う方だから、自分の意見とか、思ってることとか……そういうの、言い出しにくいのかもしんねーけど」
一度まばたきをした所為で、神崎の長い睫毛が上下する。
周りの喧騒はあるはずなのに、真由美の耳には、神崎の声だけが際立って聞こえた。
「でも、思ったことは言えばいい。とどめておかなくていい。福原が心ん中で思ってることは、相手への思いやりみたいなもんがちゃんとあって……全然間違ってないと、俺は思う」
照れくさそうに、視線を一瞬足もとに逃し、再度真由美に戻した神崎は、「それに、仕事のことも」と続ける。